ちょっとした負担増。

今年度はじめて病院へ行った。なんでわざわざ「今年度」なんて記したかというと、この4月1日から「通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法第32条)」が「自立支援医療制度(障害者自立支援法)」に変わったからである。これまでは一度認定されれば、その後は更新のとき以外はほとんど何も必要がなかった。これからは毎回「自己負担上限額管理票」というノートのようなものを提出しなければならない。じっさい診察券入れとはべつに、よく100円ショップなどで売っているプラスティックのカゴが病院の受付に置かれていた。今回は初回だったから「自立支援医療受給者証」という紙まで提出させられていた。
医療機関というのは、だいたい月に一度保険証を提示することが建前になっているが、そんなことも取り立てて要求しない病院だったのでーーだから敢えてぼくはきっちり月初めに保険証を持って行ったーー、わざとその管理票と受給者証を持って行かなかった。
上着を脱ぎ待合室のソファに腰掛けるとすぐに名前を呼ばれた。いくらなんでも早すぎるだろうと受付に行くと、案の定上記ふたつを提出しないと医療費が3割負担となるという。後述するが本来国民健康保険だと本人負担は3割だが、前述の制度を使うと格段と安くなるのだ。
保険証を忘れたりして全額支払うと後日差額が還元されるが、この制度ではそういったことはない(と思う)。ので自宅に取りに戻ることにした。近いのですかと訊かれたが、近いもなにも徒歩5分程度だ。すぐに戻ると「申し訳ありませんね」と、いつも感じの悪い受付のひとが珍しく丁重な態度だったのには驚いた。助かるのはこっちだし、わずかな距離なので申し訳ないもなにもないのだが。
話を自己負担額に戻すと、「32条」では5%だった。1000円で50円である。検査して診察を受けてマッサージをしてもらって投薬を受けて10000円かかっても500円で済んだ。これは助かった。じっさい月に一度ひと月分の医療費が郵送されてくるが、その金額の高さに驚かされる。あたりまえのことだが5%とは0.5割である。この制度がなければ10000円に対して3000円の負担である。詳しい金額は忘れたが、おそらく毎月10000円近く支払わなければならななっただろう。
今回「支援法」になって自己負担が1割となった。それでも通常の医療費よりは格安だが、これまでの倍である。微々たるものだが、やはりなんだか急にお金が掛かるようになった気がする。