不条理な仮想世界

ちょうどひと月前、mixiで不可解な嫌がらせを受けた。


といっても、直接ぼく自身に降りかかってきたのではなく、たいせつなマイミクさんから「たすけて!!」とメッセージをもらったのだ。
人助けなんて柄にもないけれど、かわいい女の子の頼みなら自分のキャラも生き方も顧みない、そんな馬鹿野郎がぼくなのだ(失笑)。

早速調べてみると、正義の味方気取りなのか、はたまたネットパトロールのつもりなのか、コミュニティなどを巡回しては不適切と思われる発言を槍玉に挙げ、名指しで非難して悦に入っているような輩のようだった。

ただ明らかに稚拙な点がいくつも目に付いた。
たとえば不適切だと指摘している箇所に関しての、根拠や裏付けがほとんど示されていなかった。
そしてその表現は些か冷静さに欠けた感情的な物言いで、意地悪な味方をすればタチの悪い言いがかりと取れなくもなかった。

それならば論理的に(理屈っぽく)矛盾点をひとつひとつ拾い上げ、完膚無きまでに黙り込ませてしまっても良いのだが、敢えてぼくはそうしなかった。
ひとつは、直接的に迷惑を被ったわけではない第三者がいきなり出て行くのもどうかと思ったからだ。
もうひとつ。
あれこれと低俗ちゃんのことを調べていたら、あることに気が付いたからだ。それは、この生き物の思考は、あるひとつの背景によって形成されており、それを絶対視しているあまり、他(者)の考え方をまったく受け容れる様子が感じられないことだった。
こんな偏った原理主義者に対して、何をどう云ったところで、まともな話し合いなどできるわけがないことは想像に難くなかった。

さらに、この無知男本人が管理人を務めるコミュニティも見つけた。
それこそ不適切どころか、規約違反も甚だしい悪質な集団だった。一見すると、何の問題もないように思えるのだが、じっさいに中に入ってみると、巧妙にかなり悪徳な行為が行われていた。もしかするとこれはmixiの規約どころか、法律に反する可能性さえあった。

そこでぼくは当初と方針を変え、べつの方法でチンピラ退治を行うことにした。


果たしてひと月が過ぎた。
この間ぼくは一切mixiにはアクセスしなかった。
経過は、善行もせず、かといって最悪な状況に追い込まれているわけでもなかった。
"nothing gonna changes"
mixiの日記には、こう題していま書いてきたようなことを報告として記した。

結果的にこのひと月ぼくは、ここに日記を書いてきた。
カテゴリ分けや「はまぞう」など、便利な機能がここにはある。ただパスワードを失念してしまいーー複数あるどのアドレスで登録したのかも忘れてしまいーー(笑)、ずっと更新どころかログインすらできなかったのだ。
久しぶりにログインして、mixiについてのさまざまな意見を読む機会に恵まれた。そのほとんどが理知的で、しっかりと客観的な視野も兼ね備えた価値ある(意味ある)内容だった。

すこしまえからmixiに対して距離を置こうと考えてはいた。だが既に依存傾向に陥り始めていたぼくは、なかなか抜け出すことができなかった。
幸か不幸か今回このようなことで、ひと月だけではあったが離れることができた。
紹介制だから信頼(信用)できる、安心できるという幻想は、かなりまえに崩れ始めていた。それでも自分のまわりに、あまりそういったトラブルがなかったこともあり、悠々とぬるま湯に浸かり続けてしまった。

そんなことを気付かせてくれた酔狂な奇人に敬意を表して、この唄を。