不条理な現実社会

金曜日は作業のまえに清掃をする。
加えて今日は社員が勉強会とやらで午前中いっぱい不在とのこと。
残された契約社員と、ぼくたち派遣社員だけで与えられた作業を行う。
昨日の時点で上司から、行うべきことの指示は受けていた。


常々「掃除をして賃金が発生するなんて!」と、喜び率先して行っているぼくは、ときどき「きれい好き」だなんて誤解を受ける。
我が家を訪れたことのあるひとなら笑いが止まらないであろう話だが、決してぼくは「きれい好き」でも「掃除が好き」なわけでもない。
ただ、勤務時間内に労働として、すなわち対価が支払われるというシステムにおいて、清掃という作業が好きなだけだ。なぜなら簡単だし楽だから。他人を気にせずひとりでできるから。

さて、ここからが本題。
前述の通り、社員がいないので上司からは「ゆっくり時間を掛けて掃除をして下さい」と云われていた。
元々この上司は作業の速さや効率よりも、正確さや丁寧さを求めるーーこの方針にぼくは大賛成であるーーので、普段から「あせらず丁寧に」とか「ゆっくりでいいからミスのないように」と云われていた。
とくに作業のすくない(ヒマな)さいきんでは、時間を持て余さないようにわざわざゆっくり進めるように云ってくることさえあった。

そして今日も、当面の作業を昨日のうちに済ませてしまったせいもあって、掃除に時間を掛けるように云ったのだと思う。
だからぼくは、普段以上に隅々まできれいにすることを心掛けた。社員がいないこともあって、いつもより時間が掛かった。他の班は早々と清掃を切り上げ、作業に入っている。これには単純に他の班と違い、ぼくはひとりで担当箇所を掃除していたせいもある。


あ、そうだ。書きたいことがあったんだけど忘れてしまった‥‥。


そのあとエアコンの清掃をした。空気が冷えないのだか、埃が舞うだか知らないが、女性社員がフィルターだけでなく、本体の奥まで掃除をするように頼んでいった。
じっさいフィルターを外し、中を覗くとかなり埃が溜まっていた。それをエアーガンで吹き飛ばしていった。余談だがしっかり防塵用のマスクは用意しておいた。
ハッキリ云って、やってもやっても、いややればやるほど、埃は宙を舞い続けた。
30分ほど経ったときだろうか、離れた場所で作業をしていたおじさん(契約社員? 期間工のような紹介を受けたのだが、周囲からは「班長」と呼ばれている。定年退職後に再雇用されたのだろうか)が、「いい加減そろそろやめてくれ」というような主旨のことを云いに来た。そのあと何か付け加えたのだが聞き取れなかった。ただ、なんとなく「迷惑(邪魔)だから」というニュアンスが伝わってきた。

  • エアーガンの音が五月蠅かったのか。(そのひとは、いつもラジオを聞きながら作業をしている)
  • 清掃のためエアコンを切っていたので暑かったのか。(それでも、ほんとうは窓を開けて行いたかったところを、周囲が閉めたがっていたので埃まみれになることを選んだ。それにエアコンは何台もあり、とくに離れていたそのおじさんに影響はないように思えたが)

さっき書き忘れたのは、この掃除とエアコンと窓の開閉の問題である。


ぐだぐだと書いてしまったのは、こちらが良かれと思って行っていたことーーというより、上司から命じられたことーーに対して、自分の都合を押しつけたうえに、こちらに非があるような物言いをされたので、あまり良い気分がしなかったからだ。
幸いぼくは自分では感情のコントロールができるつもりだし、とくに職場では不平不満などほとんどまったく口にしないようにしているから深いだとか腹立たしいとまでは感じなかった。
そう、職場でぼくは必要以上の口は聞かず、ひたすら淡々と作業をこなす「バカみたいなひと」で通している。
基本的に使う言葉は、

  1. 「おはようございます/おつかれさまでした」
  2. 「はい/いいえ」
  3. 「すみません/ありがとうございます」

くらいに限られている。

偶然だが昨日だったか今日だったか、例の上司に作業を共に行っている女性社員とコミュニケーションを取るように云われた。
いま書いた通り、とにかくムダな言葉は発しないようにしているのに、よりによって実務的な会話すら噛み合わない相手とコミュニケーションを取れだなんて。もっとアホで白痴風味のスタンスでいろというのか。

なんだかなあ。ひとまず明日から9連休なのでアタマを切り換えよう。
そんなときの1曲。