この出鱈目な3日間にひと段落


2月25日、15時過ぎいや16時近くに出社する。
パートさんは帰る時間だ。
「おはようございます!」
いつになく大きな声で挨拶をしてみた。


白い目で見られて当然なのに--すくなくともぼくは、そんなチョンボ(それも度重なる!)が許される地位にいるわけではなかった--みんな暖かい目で迎えてくれる。これが、この優しさがぼくのようなダメ人間を増長させる。
自分で云うまでもなく、こういったダメ人間の大半は自分に落ち度があることをじゅうぶん自覚している。改善しようとして一向に治らないから社会から逸脱していく。(この辺の話は改めて別項で書こう)。
謀ったようにCEOが「だいじょうぶ?」と声を掛けてくれる。体調じゃねえっす、自己管理の甘さッス。社交ダンスばりのターンで踵を返すCEOは「アルバイト代」と封筒をぼくに渡すと、「連絡だけはしてあげて」と耳元で囁いた。
叱責してください!!交通渋滞でもなく、体調不良でもなく、テメエのだらしさなさで2日連続(しかも非常識な)遅刻を続けているのは誰のせいでもなく、ぼくの欠落しただらしなさに他ならないんです!!

以前やはり自己管理の甘さから連日遅刻や休暇を繰り返し、部署内で迷惑を掛けたとき、久しぶりに顔を合わせた上司に「いろいろすみませんでした」と詫びると、「(自分<彼は1人称を”自分”という)じゃなく、まわりのみんなに謝って」と云った。一瞬、見捨てられちゃったのかなと不安になったが、彼の云わんとしていること=迷惑を掛けたみんなに謝るのが筋でしょうということがわかって、この会社のスタンスがすこしわかった気がする。
いまぼくの所属する会社には個人で売り込んでもじゅうぶん通用するスキルやセンスを持ち合わせたクリエイターが多数存在する。
かつて(いまでも?)フリーランスでデザインの仕事をしたり、エディターとしてデザイナーを取捨選択してきたからぼくには、多少なりともわかる。
でも(個々がどういうつもりか、まったくわからないのだけれど)、ウチの会社のすぐれたデザイナーたちは枠の外には飛び出さず、社内(で受注した)の仕事をこなしている。
なかには社外の仕事を請けている人間もいる。でもそれはぼくのようなアルバイトやパートさんだ。以前書いたが我が社は社外の仕事も受注できるはずなのに。

CEOの、あまりにもやさしすぎるひとことは、たしかにぼくをほっとさせたけれど、やっぱり厳しく叱責されるべきだったと思う。
もちろんぼくは叱られるのはすきじゃない。「うっせー、バーロ。細かいこと云ってんじゃねえよ!」と机を蹴飛ばすかも知れない。でも、ダメなんだ。30過ぎたオトコが出社時間を5時間も6時間も遅れて容認され(じっさいはしてないかも知れないけど)ちゃうのはマズイのだ。なにがマズイって、ここまでぜんぜん本題に入れないことが、だ(笑)。

とうにどこかで書いたと思うがぼくたちは掃き溜めのような3Fから2Fへ移動することになった。期日(?)は2月26日(土)。仕切るのは上司、それをサポートするのがぼくの役目だった。26日は土曜日で、交替出勤。そして25日金曜日は出社しないパートさんもいる。午後から(遅刻して)出勤したぼくに、キャリアの長いパートさんは、そのキャリアからか、あるいはぼくの仕事が滞っているからか、自分の荷物(運ぶべきもの/運ばなくていいもの)をメモで残してくれた。
そして大遅刻した25日(金)、さすがに周囲の目は冷ややかだったけれど事務的に仕分け作業などをして、あとは自分の荷物をまとめた。

翌26日は通院日だったが、予想以上に混んでいて(その辺のことは別項で)、クスリもらって、風呂にも入らず着替えて出掛けても会社に着いたのは16時近かった。
力仕事は既にほぼ片付いており、ちょっとした配線とか身の回りの整頓をして解散となった。
ひと段落して、誰もいなくなった3Fにぼくは上がった。

引っ越しなどの折り、いつもぼくがする、宇野(薫)くんのポーズを今回も取らせてもらった。
既にずいぶん長くなってきたので詳しいことは、リンク先で読んでもらうことにして、宇野薫くんは試合前、リングインすると中央に倒れ込んで天を仰ぐ。その姿がスマートでかっこいいので、社屋が引っ越しになるとき--前回は閉鎖/撤退だったけど--には、床に大の字になって、なにも考えず天井を眺めてきた。

今回もばかみたいに大の字になって天井を眺めた。涙は流れなかった。それは、それほどぼくがまじめに仕事に励んでこなかったせいかも知れない。このまえに書いたかも知れないけれど、もしかしたらぼくはこの会社で涙を流すような仕事なんてできやしないのかも知れない。(だから、いまあせって次の職場探してるんだよ!)
ほんとうは近頃マイ・ブームな堂島公平くんよろしく「サンキュー」と閉めたいところだけど、そうもいかなさそうだね。

今晩これから、何本ぼくは書くのか。
くれぐれも遅刻だけはしないようにね。